前回のライブハウス撮影で、フロアの後方からファインダーを覗いて痛感したのが「装備の限界」でした。今回は、感情を一旦横に置き、スペックシートと格闘しながら次なる一手を考えてみました。
導き出した「次なる相棒」への最適解を整理します。
ライブハウス撮影における「要件定義」
後方からの撮影を経験して分かった、絶対に必要なスペックは以下の通りです。
焦点距離:ホールの最後方からでも「えくすくらめーしょん!」の推し、椎名もあさんの表情を射抜くための「200mm以上」。
機動力:暗い場所での歩留まりを最大化する「手ぶれ補正(IS)」。
即応性:激しく踊るしいなを逃さない、静かで速い「オートフォーカス(AF)」。
予算:今後の遠征や日々のラーメン巡りに影響を出さない「5万円以内」。
ここで最大の課題となったのが「明るさ(F値)」でした。前回の経験から、暗所での理想は「F2.8」です。しかし、予算5万円という絶対条件と「F2.8の望遠」は完全にトレードオフの関係にあります。
今回は予算を最優先の制約条件とし、「F値の暗さはカメラのISO感度と現像技術でカバーする」という妥協(仕様変更)を受け入れ、レンズ探しをスタートしました。
(今回のズームレンズの検討を始めるまで、カメラを購入してから1ヶ月足らず。予算は5万円を予定していましたが、それでも1ヶ月の間で10万円ほど注ぎ込む形になるため、今回は価格を抑えることが最優先でした。ズームレンズで良いものを、と考えるとどうしても10万円ほどの予算が必要になることは予想できていたため、どこかで妥協をしなければならないのはわかっていました。今回は、安価であればあるほど正義、の精神で検討しています。)
脱落していった「かつての主役」たち
理想という名のフィルターにかけられ、消えていった選択肢(リジェクト対象)です。
- 高級Lレンズ(70-200mm F2.8等)
:中古でも10万円超え。確実に綺麗に撮れるのは分かっていますが、予算5万円を大幅にオーバーしているため、将来的には絶対に手に入れたいレンズですが、今回は泣く泣く不採用です。 - 格安の旧型望遠レンズ
:数千円で手に入りますが、手ぶれ補正(IS)がありません。ライブハウスの暗闇では、僕の腕では『被写体ブレ』以前に『手ぶれ』で全滅する未来が見えます。 - サードパーティ製MFレンズ
:オートフォーカスがありません。ステージ上で激しくダンスを踊るしいなにマニュアルフォーカスでピントを合わせ続けるのは、今の僕のスキルでは「無理ゲー」でした。
最後に残った「唯一の正解」:EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM
すべての条件の交差点に、ぽつんと一つだけ残ったのがこのレンズでした。
>>【中古】キヤノン EF-S55-250mm F4-5.6 IS STMの在庫をカメラのキタムラでチェックするSTM(ステッピングモーター)の価値:スッと合う静かで高速なAF。13年前の相棒(EOS Kiss X7)を支える最新の知恵です。
強力な手ぶれ補正:暗い最後列で、僕の震える期待を支えてくれる心強い味方です。
圧倒的な軽さ(375g):ボディと合わせても1kgを切る軽さは、移動の多い現場では何物にも代えがたい「正義」です。
驚きのコストパフォーマンス:中古市場で2万円前後。予算5万円に対して半分以下の出費で済むのは大きな魅力でした。
「選んだ」というより、「制約条件を満たすのはこれしかなかった」。その確信を持って、僕は購入ボタンを押しました。

最後に判明した、ほろ苦い「授業料」
しかし、購入した後に気がついた衝撃の事実があります。
実はこのレンズ、僕が持っている「EOS Kiss X7」のダブルズームキットに標準で同梱されているレンズだったのです。
最初からバラバラではなく「ダブルズームキット」を選んでいれば、もっと安く、しかもスマートにこの正解へ辿り着けていたはず……。
>>【中古】キヤノン EOS Kiss X7 ダブルズームキットの在庫をカメラのキタムラでチェックする「効率」や「要件定義」を振りかざしていたつもりが、入り口で壮大な遠回りをしてしまっていました。これもまた、初心者が支払うべき「授業料」というやつかもしれません。
少しだけ財布と心が痛みましたが、自力でこのスペックと向き合い、答えを導き出したプロセスには価値があったと自分に言い聞かせています。
新たな相棒と共に、未知の領域へ
新たに手に入れた相棒をカメラバッグに詰め込み、いよいよ初めてのホール会場へ……。この課題をクリアできれば、僕の「仮説」は「確信」に変わります。
はたして、2万円で手に入れたこのレンズは、暗いホールの最後列で通用するのか。その結果は、次回のレポートで詳しくお伝えします。
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