前回のライブハウス撮影では、EF50mm F1.8 STMを使いました。
前方から人物を大きく撮るには使いやすかった一方、後方へ移動すると50mmでは焦点距離が足りず、撮りたい大きさまで人物を写せない場面がありました。
→ 50mm単焦点は前方でどこまで使える?下北沢MOSAiCで見えた画角の限界
さらに、次に予定していたのはライブハウスより広いホールでの撮影です。
そこで、
「50mmより長い焦点距離を使えて、撮影位置から画角を調整できるズームレンズが欲しい」
と考えるようになりました。
ただし、カメラを始めてまだ1か月ほど。
すでにカメラやレンズをいくつか購入していたため、今回は予算5万円以内を一つの条件としてレンズを探すことにしました。
最終的に選んだのが、EF-S55-250mm F4-5.6 IS STMです。
今回は、なぜこのレンズを選んだのかを、当時考えていた条件から振り返ります。
1. きっかけは「50mmでは後方から短かった」こと
ズームレンズを考え始めた直接のきっかけは、前回のライブ撮影でした。
EF50mm F1.8 STMは、EOS Kiss X7で使うと比較的狭い画角になります。
前方から撮るときには人物を大きく写しやすかった一方、フロア後方から撮ると、
「もう少し長い焦点距離が欲しい」
と感じました。
ただし、この経験だけで、
「ライブ撮影には200mm以上が絶対に必要」
とまでは言えません。
必要な焦点距離は、会場の広さ、撮影位置、ステージまでの距離、どのくらい人物を大きく写したいかによって変わります。
今回の自分は、次にホールで撮影する予定もあったため、
50mmより長く、200〜250mm付近まで使えるズームレンズ
を中心に探すことにしました。
2. 今回のレンズ選びで考えた条件
候補を絞るために考えたのは、主に4つの条件でした。
50mmより長い焦点距離を使えること
一番の目的です。
後方から50mmで撮ったときに不足を感じたため、より長い焦点距離まで使えることを重視しました。
また、単焦点ではなくズームにすることで、撮影位置を大きく変えられなくても画角を調整できることを期待しました。
オートフォーカスを使えること
ステージ上では被写体が動きます。
この時点の自分は、ライブ撮影でマニュアルフォーカスを使い続ける自信がなかったため、AFを使えるレンズを条件にしました。
MFレンズ自体がライブ撮影に使えないという意味ではありません。
あくまで、当時の自分がライブ撮影で使うにはAFの方が扱いやすいと考えたということです。
手ブレ補正があること
望遠になるほど、撮影者側のわずかな揺れも画面上では目立ちやすくなります。
そのため今回は、**IS(Image Stabilizer/手ブレ補正)**のあるレンズを優先しました。
ただし、手ブレ補正で抑えられるのは主に撮影者側のカメラの揺れです。
ステージ上で動く人物の被写体ブレを止めるためには、別にシャッタースピードを考える必要があります。
今回選んだEF-S55-250mm F4-5.6 IS STMには、Canon公称でテレ端約3.5段分の手ブレ補正があります。
予算は5万円以内
そして、かなり大きかったのが予算です。
カメラを購入してからまだそれほど時間が経っておらず、すでに複数の機材を買っていました。
そのため今回は、
性能だけを見て選ぶのではなく、5万円以内で購入できるもの
という条件を優先しました。
3. 「F2.8が理想」ではなく、明るさと予算のバランスで考えた
暗いライブ会場では、F値の小さい明るいレンズにメリットがあります。
同じ撮影環境・シャッタースピードであれば、F値の小さいレンズほどISO感度を下げられる余地ができます。
そのため当初は、F2.8クラスの望遠ズームにも魅力を感じました。
ただ、今回の予算では選択肢がかなり限られます。
そこで、
F2.8を必須条件にはしない
ことにしました。
一方で、
「レンズが暗くてもISO感度や現像で全部補えばいい」
という話でもありません。
ISO感度を上げればノイズが目立ちやすくなりますし、現像でも撮影時に得られなかった情報を完全に取り戻せるわけではありません。
今回は、
明るさには不安が残るが、焦点距離・AF・手ブレ補正・価格を優先する
という判断でした。
実際に暗いホールでどこまで使えるかは、購入前の段階ではまだ分かっていません。
4. 候補を見ながら、今回は何を優先するかを整理した
レンズを調べていると、いくつか違う方向の候補が見つかりました。
F2.8クラスの望遠ズーム
明るさの面では魅力的でした。
ただ、当時調べた候補は今回の5万円という予算を大きく超えていたため、今回は見送ることにしました。
高価だから必ず自分にとって良い写真になるわけではありませんが、暗所で撮るうえでF2.8の明るさには魅力があります。
安価な旧型望遠ズーム
中古ではかなり安く購入できるレンズもありました。
ただ、自分は望遠撮影にまだ慣れておらず、今回は手ブレ補正を条件にしていたため、ISのない候補は外しました。
これは、
ISがなければ撮影できない
という意味ではありません。
この時点の自分が、より安心して望遠撮影を始めるためにISを優先したという判断です。
MFの望遠レンズ
価格面では魅力的なものもありました。
しかし、動いている人物をライブで撮影するという用途を考えると、この時点ではAFを優先しました。
その後、MF撮影自体は別の機会に試していますが、今回のレンズ選びでは候補から外しています。
5. 最終的に選んだEF-S55-250mm F4-5.6 IS STM
条件を整理した結果、購入したのがEF-S55-250mm F4-5.6 IS STMでした。
Canon公式の仕様では、
- 焦点距離:55〜250mm
- 開放F値:F4〜5.6
- AF駆動:STM
- 手ブレ補正:テレ端で約3.5段分
- 質量:約375g
となっています。
レンズ単体の質量は約375gです。55mmから250mmまで画角を変えられるため、50mm単焦点では足りなかった場面から、さらに離れた撮影位置まで対応できる幅が広がりました。
今回の自分にとって特に大きかったのは、
50mmより長い焦点距離を使えること
と、
撮影位置を変えなくてもズームで構図を調整できること
でした。
ライブのスチル撮影で、AF・IS・250mmまでの焦点距離・重量・価格をまとめて考えたときに、自分の条件に合わせやすかったことが購入の決め手になりました。

6. 「唯一の正解」ではなく、今回の条件に合っていた
当時は、
「条件を満たす唯一の正解」
というくらい強く考えていました。
現在振り返ると、そこまで断定する必要はなかったと思います。
予算を増やせば別の選択肢があります。
手ブレ補正を必須にしなければ候補も増えます。
中古の価格や在庫状況によっても選択肢は変わります。
今回は、
予算5万円以内で、EOS Kiss X7に使えて、50mmより長い焦点距離、AF、ISを備えたズームレンズ
という自分の条件の中で、EF-S55-250mm F4-5.6 IS STMを選びました。
大切だったのは、
「評判の良いレンズはどれか」ではなく、自分が今困っていることに対して何を優先するかを整理したこと
だったと思います。
7. EOS Kiss X7のダブルズームキットとは「同じレンズ」ではなかった
購入後、EOS Kiss X7にはダブルズームキットが存在していたことを知りました。
当時は、
「今回買ったEF-S55-250mm F4-5.6 IS STMが、そのダブルズームキットにも付属していた」
と勘違いしていました。
しかし、Canon公式のEOS Kiss X7の製品情報を確認すると、ダブルズームキットに同梱されていた望遠側は、
EF-S55-250mm F4-5.6 IS II
です。
今回購入した、
EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM
とは別のレンズです。
焦点距離と開放F値は同じですが、IS IIとSTM版は別モデルとして考える必要があります。
そのため、
「最初からダブルズームキットを買えば、まったく同じレンズを安く手に入れられた」
という当時の認識は正しくありませんでした。
似た焦点距離の望遠ズームがキットに存在していた、というところまでが正確です。
8. 買う前に分からなかったのは「暗いホールで本当に使えるか」
スペックを見て、自分の条件に合うと判断して購入しました。
ただ、この時点で一番重要なことはまだ分かっていません。
F4〜5.6のこのレンズを、暗いホールで実際に使えるのか。
手ブレ補正があっても、被写体ブレを止めるためにはシャッタースピードが必要です。
シャッタースピードを速くして写真が暗くなれば、ISO感度を上げる必要も出てきます。
つまり、スペックを比較して購入しただけでは、
ライブ撮影で自分がどこまで使えるか
までは判断できません。
そこで、次のホール撮影で実際に試してみることにしました。
→ 【ライブ撮影実践】EOS Kiss X7+EF-S55-250mmをホールで初使用。ズームで見えた課題
実際に使ってみると、ズームによる画角調整はかなり楽になった一方で、構図やピントなど別の課題も見えてきます。
9. まとめ:スペック探しより「何に困っているか」を整理するのが先だった
今回のレンズ選びは、
前回のライブで50mmでは後方から短かった
というところから始まりました。
そこから、
50mmより長い焦点距離
→ ズーム
→ AF
→ 手ブレ補正
→ 予算5万円以内
と、自分が優先したい条件を整理しました。
その結果、選んだのがEF-S55-250mm F4-5.6 IS STMです。
明るさについてはF4〜5.6なので、不安がなくなったわけではありません。
しかし、この時点では、
「明るいレンズを買うこと」より、「必要な焦点距離と画角調整の自由度を予算内で手に入れること」
を優先しました。
現在振り返ると、「唯一の正解」を探していたというより、
自分が何に困っていて、そのためにどの条件を優先するのかを初めて具体的に整理した機材選び
だったと思います。
そして、レンズ選びが正しかったかどうかは、スペック表だけでは決まりません。
次のホール撮影で実際に使ったことで、ズームの便利さと新しい課題の両方が見えてきました。
おたふぉと。の活動拠点はこちら:
Xでは日常の呟きや、練習で撮った写真などを投稿しています。
→ よしおのX
Instagramにはライブや撮影会で撮った写真を作品としてまとめています。
→ よしおのInstagram
note(毎週日曜日更新)
→ よしおのnote


