路上ライブやライブハウスで撮影してきて、少しずつ見えてきたのが「撮影位置を自由に変えられないライブでは、焦点距離を変えられるレンズが欲しい」ということでした。
路上ライブでは24mmと50mmを使い分けたものの、撮りたい構図が変わるたびにレンズを交換するのは大変でした。
→ 【路上ライブ撮影実践】24mmと50mmを使って分かった、単焦点レンズの使い分けとズームが欲しくなった理由
その後、ライブハウスで50mmを前方と後方から使ってみると、前方では使いやすかった一方、後方からではもっと長い焦点距離が欲しくなりました。
→ 【ライブ撮影実践】50mm単焦点は前方でどこまで使える?下北沢MOSAiCで見えた画角の限界
そこで条件を整理して購入したのが、Canon EF-S55-250mm F4-5.6 IS STMです。
購入までの検討はこちらの記事にまとめています。
→ 【機材選定】予算5万円でEOS Kiss X7用のライブ撮影ズームレンズを考えた記録
今回は、このレンズをEOS Kiss X7に装着して、横浜ランドマークホールで初めて実戦投入しました。
単焦点レンズで感じていた「画角を変えられない」という問題は、ズームレンズでかなり楽になりました。
しかし、実際に撮ってみると、
画角を変えられるようになったからといって、ライブ撮影そのものが簡単になるわけではありませんでした。
今回は、初めて望遠ズームをホール会場で使って分かったことを振り返ります。

1. 今回使った機材と撮影環境
今回使用した機材は、Canon EOS Kiss X7とEF-S55-250mm F4-5.6 IS STMです。
EF-S55-250mm F4-5.6 IS STMは、これまで使ってきた24mmや50mmの単焦点レンズとは違い、ズームリングを回すことで55mmから250mmまで焦点距離を変えられます。
今回が購入後初めてのライブ撮影でした。
これまでの撮影では、「もう少し大きく写したい」「もう少し広く入れたい」と思ったとき、自分が移動するか、レンズを交換する必要がありました。
しかしライブ会場では、自分の好きな位置へ動けるとは限りません。
その問題を、ズームレンズならどこまで解決できるのか。
今回はそこを実際のホール会場で試すことになりました。
2. ズームリングで画角を調整できるのは、やはり便利だった
実際に撮り始めて最初に感じたのは、かなり単純なことでした。
ズームできるのは便利です。
これまで単焦点レンズを使っていたときは、焦点距離そのものを変えることができません。
自分が移動できる環境なら撮影距離を変えて構図を調整できますが、ライブでは観覧位置や周囲のお客さんとの関係で自由に動けないことがあります。
EF-S55-250mmなら、その場に立ったままズームリングを回して画角を調整できます。
人物を大きく写したいときには望遠側へ。
ステージ上をより広く入れたいときには、短い焦点距離側へ戻す。
それまでレンズ交換や自分の移動で対応していたことを、撮影中にそのまま調整できるようになりました。
6月19日の路上ライブで感じた「構図が変わるたびに24mmと50mmを交換するのは大変」という問題に対して、ズームレンズが有効なのは実際に使ってみても分かりました。
ただし、ここで新しい問題も出てきます。
焦点距離を自由に変えられる分、自分で決めなければならないことも増えました。
ズームリングを回しながら、被写体を追い、構図を決め、ピントを合わせ、シャッターを切る。
便利になった一方で、焦点距離まで自由に選べるようになったことで、撮影中に判断することは増えました。
この日の序盤に撮影した写真はInstagramに掲載しています。
3. 今回は「自分で決めること」を少し減らした
前回のライブハウス撮影では、撮影途中でホワイトバランスを変更した結果、色がおかしくなり、その修正に意識を取られてしまいました。
今回はその反省から、ホワイトバランスは最初から最後までAUTOにしました。
これは「ライブ撮影ではAUTOが正解」という意味ではありません。
今回の自分の場合は、ホワイトバランスを撮影中に頻繁に触らないことで、被写体を追うことや構図を考えることへ集中しやすくなりました。
撮影方法も、今回は基本的にファインダーを使っています。
**AF(オートフォーカス)**については、ファインダー内のAFフレームから任意の1点を選択し、「どこでピントを合わせるか」を自分で把握しやすい状態にしました。
前回はライブビューで撮影しながらAFにも苦戦していましたが、今回の自分の撮り方では、ファインダー撮影+任意のAFフレームを1点選択する方法の方が、操作を整理しやすかったと感じています。
ここも「ファインダーの方が常に正しい」ということではありません。
カメラに任せる部分と、自分で判断する部分を整理したことで、少なくとも前回よりは撮影そのものへ集中できました。
4. 今回の撮影設定
今回の主な設定は次のようになりました。
| 項目 | 今回の設定 | 撮影時に感じたこと |
|---|---|---|
| シャッタースピード | 1/500〜1/1500秒 | 当初想定していた1/250秒より速い範囲を使用 |
| F値 | 主にF4〜F5.6、一部でF8・F11も使用 | 基本は開放側を中心にしつつ、一部で絞った設定も試した |
| ISO感度 | AUTO・上限6400 | 上限のISO6400まで上がる場面が多かった |
| ホワイトバランス | AUTO | 撮影中に変更せず、そのまま使用 |
| AF | 任意のAFフレームを1点選択 | 狙う位置を把握しやすくするため使用 |
| 撮影方法 | ファインダー中心 | 今回はこちらの方が操作しやすかった |
シャッタースピードは、当初想定していた1/250秒よりも速い1/500〜1/1500秒を使いました。
F値は主にF4〜F5.6を使いながら、一部ではF8やF11まで絞った設定も試しています。
ISO感度はAUTOで、上限を6400に設定しました。
実際にはISO6400まで上がる場面がかなり多くありましたが、これは「EOS Kiss X7はISO6400が限界だった」という意味ではありません。
今回はISO AUTOの上限を6400に設定していたため、必要な露出を確保しようとした結果、上限まで上がる場面が多かったと考える方が自然です。
この日の撮影では、少なくとも明るさや色については、前回ほど設定に悩まず撮影を続けることができました。
5. 曲を知っていることが、シャッターを切るタイミングの予測に役立った
この日は、自分が以前からライブを見ている「えくすくらめーしょん!」も撮影しました。
ここで機材とは別に気づいたことがあります。
それは、曲や振りを知っていることが撮影にも役立つということでした。
何度も見ている曲であれば、
「このあと大きく動く」
「ここでポーズが入る」
「次はこのメンバーが前へ出てくる」
といった流れをある程度予測できます。
ライブ撮影では、起きた動きを見てからシャッターを切るだけでは間に合わないことがあります。
そのため、曲の展開を知っていることで、少し早めにカメラを構えられた場面がありました。
また、この日の撮影を通して、曲や場面によって動きの大きさが違うことも改めて意識するようになりました。
実際には1/500〜1/1500秒の範囲で撮影していましたが、撮りながら、
「動きに合わせてシャッタースピードも考えた方がよさそうだ」
と思うようになりました。
この時点では、まだ曲ごとに明確な基準を作れていたわけではありません。
それでも、ただ一つの設定で最後まで撮るのではなく、目の前の動きを見ながら設定を考える必要があると感じたことは、次の撮影につながる気づきでした。
この日の「えくすくらめーしょん!」のライブ写真もInstagramに掲載しています。
6. ズームで画角の問題は楽になった。でも構図とピントは別問題だった
撮影中は、これまでよりも手応えを感じていました。
ズームで画角を変えられる。
ホワイトバランスも大きく崩れない。
ファインダー撮影とAFフレームの任意選択も、前回より扱いやすい。
「今回はかなり撮れたのでは?」
と思っていました。
ところが、帰宅後に写真を大きな画面で確認すると、別の問題が目立ちました。
構図とピントです。
被写体が画面の端へ寄りすぎていたり、頭上に意図していない空間が大きく残っていたりしました。
複数人を撮った写真では、自分が狙っていた人物とは別の人物にピントが合っているものもあります。
ここで分かったのは、
露出をある程度安定させられることと、狙った写真を撮れることは別の話
だということでした。
これまでは、「焦点距離が足りない」「ホワイトバランスがおかしい」「AFが合わない」といった分かりやすい問題に意識が向いていました。
今回はズームレンズを導入し、設定も少し整理できたことで、今度は自分がどう構図を作り、どこへピントを合わせ、どの瞬間にシャッターを切るかという問題が目立つようになりました。
特に初めて使うズームレンズでは、
焦点距離を変える → 構図を整える → AFフレームを被写体へ合わせる → タイミングを見て撮る
という一連の操作をライブ中に繰り返す必要があります。
ズームレンズを手に入れたことで、単焦点レンズのときに困っていた「画角を変えられない」という問題はかなり楽になりました。
その代わり、
自由に画角を変えられる機材を、自分がまだ十分に使いこなせていない
という新しい課題が見えてきました。
7. まとめ:ズームレンズで画角の自由度は上がった。次は使いこなす練習が必要
今回、EOS Kiss X7にEF-S55-250mm F4-5.6 IS STMを装着し、初めてホール会場でライブ撮影をしました。
路上ライブやライブハウスで感じていた、
「撮影位置を変えられないと、単焦点レンズでは構図を調整しづらい」
という問題に対して、少なくとも今回のホール撮影では、ズームレンズによって画角を調整する自由度がかなり増えました。
その場から大きく移動しなくても焦点距離を変えられるため、出演者の人数や自分が狙いたい構図に合わせやすくなります。
一方で、ズームレンズを使えばライブ撮影が簡単になるわけではありませんでした。
画角を自由に変えられるようになったことで、今度は構図、ピント位置、ズーム操作、シャッターを切るタイミングを同時に考える必要があります。
今回までの流れを振り返ると、
24mmと50mmを交換する大変さを知る
→ 50mmでは後方から焦点距離が足りないことを知る
→ 55-250mmのズームレンズを導入する
→ 画角の問題は楽になったものの、構図とピントという次の課題が見えた
という形になりました。
機材を変えることで解決できる問題はあります。
しかし、機材を変えた結果、それまで見えていなかった自分の撮影技術の課題が見えてくることもあります。
今回のホール撮影では、EF-S55-250mmを導入したことで、自分が欲しかった「撮影位置を大きく変えずに画角を調整できる」という自由度を得られたことが分かりました。
次に必要なのは、新しいレンズを探すことではなく、このレンズで狙った構図とピントを安定して作れるようになることだと思います。
これからも実際の撮影を重ねながら、EOS Kiss X7とEF-S55-250mmをどう使えば自分の狙った写真に近づけるのか試していきます。
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