秋葉原フォトウォークの写真をLightroomで現像してみた|青空と街の暗さをどう残す?

現像実践

秋葉原フォトウォーク、今度は現像してみる

前回、秋葉原を歩きながら構図や撮りたいものを考えて撮影してみました。

今回は、そのときに撮影した写真をLightroomで現像してみます。

カメラを持って秋葉原を歩く。撮って出しで振り返る初心者フォトウォーク
Canon EOS Kiss X7とEF-S24mm F2.8 STMを持って秋葉原をフォトウォーク。あえて撮って出しの写真を使い、構図、街の情報量、青空と建物の明暗差などを初心者目線で振り返ります。

今回使用した機材とソフトはこちらです。

  • カメラ:Canon EOS Kiss X7
  • レンズ:EF-S24mm F2.8 STM
  • 現像ソフト:Lightroom

今回は4枚の写真を現像しましたが、すべてについて調整値を細かく説明することはしません。

まず1枚をじっくり現像して、

何が気になるのか
→ どう見せたいのか
→ そのために何を動かしたのか
→ 実際にどう変わったのか

を追っていきます。

そのあと、同じ考え方を使って残り3枚も仕上げてみます。

「この数値にすればきれいになる」という現像レシピではなく、Lightroomの項目を触りながら、自分が何を変えたいのか考えてみるのが今回の目的です。


まずは、ビルの間に広がる青空の写真を現像する

今回、最も詳しく現像してみるのが、左右のビルの間に青空が大きく広がった写真です。

秋葉原のビルの間に青空が広がる街並みを撮影した現像前の写真

撮って出しを見ると、空は明るく、青さも残っています。

一方で、左右の建物や中央のビルはかなり暗く、窓や看板などの情報が少し分かりにくくなっていました。

最初は、

「暗い建物を明るくして、空もきれいに見せたい」

と考えていました。

ただ、写真を見ながら考えているうちに、全部を明るくするのも少し違う気がしてきました。

青空の明るさと、その下にある秋葉原の少し雑然とした、暗い街の雰囲気。

その明暗差を残した方が、この写真では面白いのではないかと思いました。

そこで今回は、

青空の明るさは残しながら、建物は見える程度まで明るくする。ただし、暗さそのものは消しすぎない

という方向で現像することにしました。


建物が暗い。でも露光量は上げなかった

建物が暗いので、最初に思いつくのは露光量を上げることでした。

ただ、露光量を上げると写真全体が明るくなります。

今回の写真では空はすでに十分明るかったので、写真全体を明るくしたいわけではありません。

そこで露光量は0のままにして、まずシャドウを動かしてみました。

最初は+20〜+30程度を試しましたが、目で見て分かるほどの違いはあまり感じませんでした。

そこで思い切って+50まで上げてみます。

すると、左右の建物や中央のビルに残っていた情報が、補正前より見えるようになりました。

今回の設定

  • 露光量:0
  • シャドウ:+50

シャドウを上げれば上げるほど良い、というわけではありません。

今回は暗い街の雰囲気も残したかったので、「暗いところを全部明るくする」のではなく、建物の情報が確認できるところまでにしました。


青空の明るさを残しながら整える

次に、明るい空を少し整えます。

ハイライトは-20にしました。

ハイライト:-20

空を暗くすること自体が目的ではありません。

建物側の情報を持ち上げても、空の明るさが強くなりすぎず、青さを残せる程度に抑えるためです。

さらに黒レベルを-10にしました。

黒レベル:-10

シャドウを持ち上げたことで暗部が少し見やすくなった一方、黒まで明るくなりすぎると全体の締まりが弱く感じます。

そこで黒い部分は少し残す方向にしました。

この時点で、

暗部の情報は見えるようにするが、暗さそのものは残す

という今回の方向が少し見えてきました。


明るくしたあと、下側だけあえて暗くしてみる

ここで少し気になったことがありました。

シャドウを+50にすると建物は見やすくなりましたが、補正前より街全体の暗さが弱くなったようにも感じます。

また、建物の存在感が増えたことで、補正前より空が狭く感じるようにもなりました。

そこで写真全体を再び暗くするのではなく、画面下側だけを暗くしてみます。

下から線形グラデーションのマスクを入れ、露光量を下げました。

最初は-0.30や-0.40程度を試しましたが、目で見ても違いがよく分かりません。

そこで-0.70まで下げてみました。

線形グラデーション

  • 対象:画面下部
  • 露光量:-0.70

このくらいまで下げると、建物の情報は残しながら、下側に少し重さが戻ってきました。

一度シャドウを上げたあとに、また暗くする。

最初は少し不思議な調整にも思えました。

ただ、シャドウを上げた目的は暗部の中にある情報を見えるようにすること

線形グラデーションを使った目的は写真の下側に暗さを残し、明るい空との対比を作ること

同じ「明るい・暗い」という調整でも、役割は違うのだと感じました。


空の青をどう見せるか試してみる

明るさがある程度まとまったところで、次に色を見てみます。

最初は自然な彩度を+10にしました。

しかし、目で見ても違いがよく分かりませんでした。

+25でも大きな違いは感じません。

そこで一度+40まで大きく動かしてみます。

すると、ここで初めて空の青さが明らかに強くなったと感じました。

ただ、自然な彩度を上げると空だけではなく、街の看板や建物の色も一緒に強くなります。

今回強調したかったのは写真全体の色ではなく、青空です。

そこで自然な彩度は0に戻し、カラーミキサーで青だけを調整してみました。

ブルー

  • 彩度:+20
  • 輝度:-10

最初はこの違いも分かりにくかったのですが、補正前後を見比べていると、空の光で少し白っぽく見えていた部分にも青さが感じられるようになりました。

建物のガラス面などの青も強くなりますが、今回はそれも含めてこちらの方がきれいだと感じたため、この設定を残すことにしました。

すべての色を強くするのではなく、今回見せたかった青だけを少し調整する形です。


トリミングで画面の情報を整理する

最後に構図を見直します。

元写真では、画面下端に人物の頭が途中まで写っていました。

また、右側には看板や建物など情報量の多い部分があります。

そこで、

  • 下端の人物が入らないようにする
  • 右側を少し切る
  • 空の広さはできるだけ残す

という方向でトリミングしました。

角度も合わせて調整しています。

空の面積は元写真より少し狭くなりましたが、左右の建物に囲まれた空の広がりはまだ十分残っていると判断しました。

これ以上さらに彩度やコントラストを足すこともできますが、今回の目的は派手な写真にすることではありません。

青空と暗い街の対比が見えるところまで来たので、ここで現像を止めることにしました。


Before / Afterを比べてみる

青空の青さと建物の暗部を調整した秋葉原のビル群の現像後写真
秋葉原のビル群と青空を撮影した写真のLightroom現像前後比較

現像前と比べると、建物の暗部に少し情報が戻り、空の青も分かりやすくなりました。

一方で、街側を完全に明るくしたわけではありません。

今回残したかったのは、明るい青空と、その下にある少し暗く密度の高い街との対比です。

現像を始める前は「暗い建物を明るくする」と考えていましたが、実際に触ってみると、

暗い部分をどこまで明るくするか

を決めることの方が重要でした。


同じ設定ではなく、同じ考え方で他の写真も仕上げる

最初の写真では、Lightroomの項目を一つずつ確認しながら仕上げました。

ここからは、その設定値をそのままコピーするのではなく、

この写真では何が気になるのか

を考えて、残り3枚も現像してみます。


大通りの抜け感と青空を見せる

青空の下に秋葉原の大通りが奥まで続く縦構図の現像後写真

この写真では、最初の写真のように街の暗さを強調するより、大通りの抜け感と青空の広さを見せたいと思いました。

一度ハイライトを下げてみましたが、この写真では全体が少し暗くなりすぎたように感じたため、ハイライトは0に戻しました。

線形グラデーションも使っていません。

一方で、画面右側には人物、自転車、ガードレールなど多くの情報がありました。

そこで右側をトリミングし、それらを画面から整理。

右側の建物も見えなくすることで、青空を広く感じられる構図にしました。

同じフォトウォークの写真でも、残したいものは写真ごとに違います。

前の写真で使った調整をそのまま使うのではなく、この写真では必要のないものを外しました。


思い切ってアーチだけを主役にする

白い高架のアーチ越しに秋葉原の街並みを捉えた現像後写真

この写真で特に気になったのが、右下に大きく写った車と、上部の空でした。

どちらも今回見せたいものではないと考え、思い切ってアーチ部分を中心に切り取るようにトリミングしました。

見せたかったのは、高架のアーチと、その奥に見える街並みです。

明るさでは露光量は変更せず、空が気になったためハイライトを-20。

アーチの内側は影になっていたため、内部の様子が見えるようシャドウを+70まで上げました。

さらに黒レベルを-10として、シャドウを持ち上げたあとも黒い部分が締まって見えるようにしています。

今回はカラーには手を入れていません。

その代わり、

  • 明瞭度:+10
  • かすみの除去:+10

として、コンクリートの質感や奥の街並みを少しくっきり見せる方向にしました。

同じ「暗部を明るくする」でも、最初の写真では雰囲気を残しながら情報を出すため。

こちらではアーチの内側そのものを見せるため。

同じ項目でも、触る理由は写真によって変わります。


橋の色は変えられても、そこに電車はいない

青空を背景に緑色の鉄橋と周囲のビルを捉えた現像後写真

最後は、緑色の橋を撮った写真です。

まず、左下に写っていた赤い標識がかなり目立っていたため、その部分をトリミングしました。

一方、右側のビルは残しています。

橋だけを切り取るのではなく、街の中にある橋として見せたいと思ったためです。

空の明るさが気になったので、ハイライトは-30。

橋の下側は影になっているため、構造が見えるようシャドウを+70にしています。

色については、青空の青と橋の緑が印象に残る方向に調整しました。

さらに空にはマスクをかけ、青を少し強めています。

現像前より、橋の色や形はかなり分かりやすくなりました。

ただ、この写真にはどうしても現像で直せないものがあります。

橋の上に電車がいないことです。

撮影したとき、本当はここを電車が走っているところまで待てば、より「撮りたかったもの」が明確な写真になったかもしれません。

色は変えられる。

明るさも変えられる。

不要な部分ならトリミングもできます。

でも、そもそも写っていない被写体を、現像で撮影したことにはできません。

今回の4枚の中で、現像の限界を一番分かりやすく感じた写真でした。


今回、現像で直せたこと

4枚を現像してみると、撮って出しの状態から変えられることはかなりありました。

今回実際にできたのは、

  • 暗部を見えるようにする
  • 明るい空を少し抑える
  • 青空や橋の色を調整する
  • 黒を引き締める
  • 明瞭度やかすみの除去で質感を少し強くする
  • マスクで写真の一部分だけ調整する
  • トリミングで不要な情報を整理する
  • 写真の中で何を主役にするか整理する

といったことです。

特に印象に残ったのは、トリミングでした。

現像というと明るさや色を変えることを最初に想像していましたが、画面端の不要なものを整理するだけでも、写真の見え方はかなり変わります。


現像では直せなかったこと

一方で、現像ではどうにもならないこともあります。

今回一番分かりやすかったのが、最後の橋の写真です。

橋の色をきれいにすることはできても、橋の上を走る電車をあとから撮ることはできません。

また、今回の写真ではトリミングで不要なものをある程度整理できましたが、最初から画面端を確認して撮影できていれば、もっと自由に構図を決められたはずです。

現像は写真を仕上げるための手段ではありますが、撮影時の判断を全部やり直せるものではありませんでした。


次に撮るときに意識したいこと

今回の現像を通じて、次のフォトウォークでは撮影時にももう少し意識したいことが見えてきました。

まずは、画面端です。

今回、人物の頭、車、自転車、標識などをトリミングで整理した写真が何枚もありました。

撮影時にもう少し画面全体を見る余裕があれば、最初から不要なものを避けられるかもしれません。

また、明るい空と暗い建物が同時に入る場面では、撮影時点からその明暗差を意識しておきたいです。

現像でシャドウを持ち上げることはできますが、あとで直せることを前提に撮るのではなく、

「この暗さを残したいのか、それとももっと見せたいのか」

まで考えて撮れれば、現像するときにも迷いが減りそうです。

そして、撮りたい被写体が現れるまで待つこと。

最後の橋の写真は、橋だけを撮るなら今の写真でも成立します。

しかし、「電車が走る橋」を撮りたかったのであれば、あと少しその場で待つ必要がありました。

現像をしてみたことで、撮影時にしかできないことも以前より分かるようになった気がします。


この考え方は人物撮影にも使えそう

今回は秋葉原の街並みを使って現像しましたが、考え方そのものは人物撮影にも使えそうです。

たとえば、明るい背景の前に人物が立っていて顔が暗くなった場合。

写真全体の露光量を上げると、背景までさらに明るくなってしまいます。

今回の最初の写真と同じように、

写真全体が暗いのか、それとも暗くなっている部分だけを明るくしたいのか

を考える必要があります。

場合によってはシャドウを使ったり、人物だけにマスクをかけたりする方がよいかもしれません。

また、背景に不要な情報が多ければ、トリミングで整理するという考え方も使えそうです。

もちろん今回使った数値を、そのまま人物写真に使えるわけではありません。

大事なのは数値ではなく、

何を変えたいのかを先に考えて、それに合う項目を選ぶこと

なのだと思います。


今回の現像で分かったこと

今回、4枚の写真をLightroomで現像してみて一番印象に残ったのは、

暗いところを明るくすれば正解、ではない

ということでした。

最初の写真ではシャドウを上げたあと、あえて画面下部をマスクで暗くしています。

一見すると逆のことをしています。

でも、

見えなかった情報を出すこと

と、

写真の雰囲気として暗さを残すこと

では目的が違います。

自然な彩度も、カラーミキサーも、動かせるからといって必ず使う必要はありません。

一度大きく動かして効果を確認し、必要がなければ戻す。

写真によっては、前の写真と同じ設定を使わない。

そして、現像では直せないものは次の撮影に持ち越す。

今回の現像を通して、Lightroomの数値そのものよりも、

「なぜこの項目を触るのか」を考えることの方が大切なのかもしれない

と感じました。

次に撮影するときは、今回現像で気づいたことも意識しながら、もう一度街を撮ってみたいと思います。


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