前回、50mmレンズの「近すぎる問題」に直面し、急遽導入した薄さ2cmのパンケーキレンズ、EF-S24mm F2.8 STM 。 この新しい相棒を手に、私はある場所へ向かいました。それは、アイドルグループの配信オーディションの時代からずっと応援していた、ある女の子(今回はモデルAさんと呼ばせていただきます)が出演する撮影会です 。
アイドル時代にはどうしても都合が合わず、ライブへ行くことができなかった私。 「ついに、本物に会える。」 期待と猛烈な緊張をバッグに詰め込み、私は初めての「セッション撮影会」という未知の世界へ飛び込みました 。
注:肖像権を考慮し、記事内に実際の写真を掲載することは控えています。掲載確認を行い、許可の出た写真については、私のXやInstagramに掲載しておりますので、そちらをご覧ください。
1. そもそも「セッション撮影会」って何?
初めて参加する私にとって、撮影会のシステム自体が新鮮な驚きでした 。 今回体験した「セッション撮影会」を簡単に言うと、「複数のモデルさんと複数の撮影者が、同じ時間・空間で進めるオープンな撮影スタイル」です 。 1対1の「個別撮影会」とは違い、スタジオ内の各ブースにモデルさんが配置され、撮影者が目当てのブースに並んで順番に撮っていきます。
- 初心者でも馴染みやすい: 1対1ではないので、変に緊張しすぎず雰囲気に馴染める 。
- 効率が良い: お目当ての子の休憩中、別の子の撮影を見て勉強することもできる 。
- コスパが良い: 個別撮影より安価な設定が多く、お試しで参加しやすい 。今回参加した撮影会も、1時間で4千円程度でした。
「まずは一度、今の装備でどれぐらいのものが撮れるのか試したい」。そんな今の私の距離感には、まさにぴったりの環境でした 。
2. 50mm単焦点レンズで挑むスタジオ撮影:物理的な壁と露出の罠
いよいよ撮影スタート。まずは本命、EF50mm F1.8 STM を装着して挑みます 。 目の前には、画面越しにずっと見てきたモデルAさん。意気揚々と構えましたが……。
「……やっぱり、下がれない!!」
狭いスタジオのブース内(2〜3mほどしか距離がとれないぐらい)。換算80mm相当になるこのレンズでは、一歩下がっても「バストアップ」が限界です 。 ソファに寝転んでもらうなど工夫してなんとか全身を収めることはできましたが、後から考えれば、この狭さで無理に全身を狙うのは間違い。バストアップなど寄りの画角で撮るのが、このレンズの「正解」でした。
さらに、最初のブースは背景が真っ黒。焦点距離の問題に加え、露出の設定も追いつかず、「せっかくの初対面なのに、顔が暗い……」という、初心者丸出しの大失態を演じてしまいました 。
3. 24mmパンケーキレンズへの換装:撮影距離がバグった新たな失敗
モデルAさんが衣装を着替えている間、他のモデルさんのブースで練習。一度ロッカー区画へ戻り、満を持してパンケーキレンズ EF-S24mm F2.8 STM に換装しました 。 再びファインダーを覗いた瞬間、視界が一気に開けました。 「これだ!全身が入る!」
しかし、ここでまた別の問題が発生します。「遠くから撮ると、思っていたよりモデルさんが小さく写ってしまう……」 。 そう感じた私は、次第にモデルさんへと近づいていきました。最終的にはバストアップなどの寄りまで、この24mmレンズで撮ってしまったのです 。 その結果、広角レンズ特有の歪みが出てしまったり、近寄りすぎてカメラマンの圧が強くなってしまったりと、お互いに気まずい空気が流れてしまいました 。
こちらはお目当てのモデルAさん以外で撮影させていただいた方々の写真です。
その後、衣装とブースをチェンジして、モデルAさんの撮影を再開。次のブースは少し広めだったので、リベンジを誓って再び50mmに付け替えましたが、やはり端っこまで下がっても全身は入りません。結局、再び24mmへ戻すことに。 結局、その日の撮影のほとんどを24mmで行うことになりました 。
4. 最大の反省点:レンズがあるのに「思考」が停止していた
終わってみて気づいた最大の後悔。それは、「2本のレンズの役割分担を、現場で完全に履き違えていたこと」です 。
知識としては理解していたはずなのに、現場の熱量にテンパってしまい、こんな無謀な挑戦を繰り返していました。
- 50mmで無理やり全身を撮ろうとする: 物理的に無理な距離で四苦八苦し、時間を浪費した 。
- 24mmで顔のアップまで撮ろうとする: 近づきすぎて歪みを生ませ、圧を与えてしまった 。
いま冷静に考えれば、スタジオ撮影におけるレンズの特性とF値、そして撮影距離の正解はこうでした。
- 24mm(パンケーキ): スタジオの背景を活かした「全身・引き」専用
- 50mm(撒き餌): 瞳の輝きや表情を切り取る「バストアップ・寄り」専用
初めての現場を終えて
「2本持っていて、本当に良かった」 ……と心から言いたいところですが、正確には「2本持っていたのに、その特性を活かす思考が追いつかなかった」というのが、私の苦いデビュー戦の結論です 。
知識としての「仕様(焦点距離の特性)」は理解していたつもりでしたが、現場の熱量と緊張感の中では、その理論が脆くも崩れ去ることを痛感しました 。 しかし、この失敗があったからこそ、私は「ある疑問」を持つようになります。
「全身の24mmと、アップの50mm。その中間を1本でこなせる画角が、どこかにあるんじゃないか?」
次回、「単焦点レンズ検討編。理想の距離感を求めて」 。 私のレンズ探しの旅は、ここからさらに加速していきます。
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