カメラを始めたばかりのころ、最初に購入した単焦点レンズがEF50mm F1.8 STMでした。
50mmは、フルサイズでは標準域のレンズとして紹介されることが多く、当時の自分も、
「まず50mmを一本持っておけば使いやすいだろう」
くらいに考えていました。
実際に撮ってみたかったものの一つが、実家で暮らしている15歳の柴犬です。
せっかくカメラを買ったので、散歩中の姿や公園での写真をきれいに残したい。さらに、全身写真を撮って自作のアクリルスタンドにもできたら、と考えていました。
ところが、EOS Kiss X7に50mmを付けて実際に撮ろうとしてみると、思っていた以上に画面へ入る範囲が狭かったのです。
今回は、「50mmなら使いやすそう」と思っていたカメラ初心者が、APS-Cでの画角を実体験で理解したときの話です。
1. 散歩しながら撮ろうとしたら、全身が入らなかった
最初に困ったのは、愛犬と散歩をしながら撮ろうとしたときでした。
足元を歩いている姿へカメラを向けると、ファインダーに入るのは顔や身体の一部分ばかり。
全身を入れようとしても、思っていたような構図になりません。

このとき問題になったのが、自分と犬との距離です。
少し後ろへ下がれば写る範囲は広がります。
しかし、散歩中は左手でリードを持っています。
自分だけ好きなだけ後ろへ下がることはできません。
この日は全身写真を撮りたかったため、
「50mmだと、この距離では写る範囲が狭い」
ことを初めて実感しました。
2. 2m以上離れて、ようやく狙っていた全身の構図に近づいた
散歩の途中、公園のベンチに愛犬を座らせて撮影してみました。
それでも近くからカメラを構えると、全身を入れるには画角が狭く感じます。
そこで、このときは自分がベンチから2m以上離れて撮ってみました。
すると、ようやく狙っていた全身の構図に近づけることができました。

もちろん、
「50mmなら柴犬を撮るには必ず2m以上必要」
という意味ではありません。
犬の大きさや向き、撮りたい構図によって必要な距離は変わります。
今回の自分の場合は、
リードを持ちながら近い距離で全身を撮りたい
という条件と、50mmの画角が合っていませんでした。

50mmそのものが使いづらいレンズだったわけではありません。
少し距離を取って、顔や身体を大きく写したい場面では使いやすさも感じました。
問題だったのは、
「50mmなら自分の撮りたい距離でも使いやすいだろう」と、画角を十分理解しないまま選んでいたこと
でした。
3. EOS Kiss X7では50mmが「35mm判換算で約80mm相当の画角」になる
撮影後に改めて調べて、ようやく自分が十分理解できていなかったことに気づきました。
EOS Kiss X7は、APS-Cサイズの撮像センサーを搭載しています。
Canonでは、EOS Kiss X7のようなAPS-C機について、レンズに表記されている焦点距離の約1.6倍に相当する有効撮影画角になると説明しています。
50mmなら、
50mm × 約1.6 = 35mm判換算で約80mm相当の画角
になります。
ここで注意したいのは、50mmレンズ自体の焦点距離が80mmへ変化するわけではないことです。
レンズは50mmのままです。
ただし、APS-Cセンサーでは35mm判より写る範囲が狭くなるため、35mm判カメラで約80mmを使ったときに近い画角になります。
自分も「APS-Cでは約1.6倍」という数字自体は目にしたことがありました。
しかし、
実際の撮影距離で、どのくらい写る範囲が変わるのか
までは理解できていませんでした。
リードを持ちながら愛犬を撮ってみて、初めて「35mm判換算で約80mm相当の画角」という意味を実感した形です。
4. 50mmが悪いのではなく、今回はもっと広い画角が必要だった
この経験から分かったのは、50mmが悪いのではなく、今回の撮影距離ではもっと広い画角が必要だったということです。
近い距離から愛犬の全身を入れたいなら、50mmより広く写せるレンズを試してみたい。
そこで次に選んだのが、EF-S24mm F2.8 STMでした。
Canon公式では、このレンズはEOS Kiss X7のようなAPS-C機で、35mm判換算約38mm相当の画角になります。
全長22.8mm、質量約125gの薄型パンケーキレンズです。
50mmの約80mm相当の画角と比べると、かなり広い範囲を写せます。
当時の自分は、
「これなら近い距離からでも、もう少し全身を入れやすいのではないか」
と考えて追加しました。
5. 数字だけ知っていても、撮ってみるまで分からなかった
今振り返ると、このときの失敗はかなり単純です。
EOS Kiss X7がAPS-Cであることも、「約1.6倍」という言葉も、まったく知らなかったわけではありません。
ただ、それが自分の撮影にどう影響するのかを理解できていませんでした。
実際に愛犬へカメラを向けて、
「近い」
「全身が入らない」
「もっと離れないと撮れない」
と経験したことで、ようやく焦点距離と画角、撮影距離の関係を考えるようになりました。
カメラを始めたばかりのころは、
「何mmのレンズがおすすめか」
という数字ばかり気にしていました。
でも、本当に考える必要があったのは、
「自分はどれくらいの距離から、どのくらいの範囲を写したいのか」
ということだったのだと思います。
6. 24mmと50mmを持って、初めての撮影会へ
愛犬を撮った経験から24mmを追加し、手元には
EF-S24mm F2.8 STM
EF50mm F1.8 STM
という、画角の違う2本の単焦点レンズが揃いました。
そして次にこの2本を持って行ったのが、初めて参加したセッション撮影会です。
愛犬を撮ったときには「50mmでは狭い」と感じましたが、人物撮影では24mmと50mmそれぞれに使いやすい場面と難しい場面がありました。
→ 【撮影会実践】EOS Kiss X7で24mmと50mmを使って分かった、焦点距離と撮影距離の悩み
この経験が、さらにその後のレンズ選びへつながっていきます。
まとめ:撮りたい距離と構図から焦点距離を考える
EOS Kiss X7に50mmを付けると、35mm判換算で約80mm相当の画角になります。
今回のように、リードを持ちながら近い距離から愛犬の全身を撮りたい場面では、自分には狭く感じました。
そこで24mmを追加し、より広い画角を試すことになります。
この経験で学んだのは、
「おすすめの焦点距離」をそのまま選ぶのではなく、自分が撮りたい被写体・撮影距離・構図から必要な画角を考えること
でした。
50mmを買ったこと自体が失敗だったわけではありません。
実際に使ってみたことで、
50mmではどのくらい写るのか。
自分の撮り方には何が足りないのか。
を初めて具体的に考えられるようになりました。
カメラを始めた直後だからこその失敗でしたが、その後レンズを選ぶときに焦点距離を意識するきっかけになった出来事です。
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