前回の撮影会では、SIGMA 30mm F1.4 DC HSM | ArtをF1.4の開放に固定して撮影しました。
背景を大きくぼかせる一方で、撮影後に写真を確認すると、顔にはピントが合っていても、手前側まで自分が意図したようにシャープに見えない写真があります。
そこで初めて、F値によって変わる被写界深度を意識するようになりました。
→ 【撮影会検証】SIGMA 30mm F1.4で分かった被写界深度の課題。顔に合っていても手前がボケた理由を考える
前回の時点で考えた次の課題は、
「F1.4だけに固定せず、構図や撮影距離に合わせてF値を変えてみる」
ことでした。
そこで8月2日の撮影会では、同じSIGMA 30mmを使いながら、F1.4からF2.8の範囲でF値を変えて撮影してみました。
今回試してみて分かったのは、
F1.4とF2〜F2.8のどちらか一方が正解なのではなく、どこまでピントが合って見えてほしいかによって使い分ける必要がある
ということでした。
今回は、F1.4開放固定から一歩進めて、F値を変えながら撮った結果を振り返ります。
1. 今回はF1.4固定をやめて撮ってみた
今回使ったレンズは、前回と同じSIGMA 30mm F1.4 DC HSM | Artです。
EOS Kiss X7で使うと、35mm判換算で約48mm相当の画角になります。
これまでの撮影会で、30mmという焦点距離そのものは自分にとってかなり扱いやすいと感じるようになっていました。
→ 【撮影会実践】SIGMA 30mm F1.4一本でスタジオ撮影。使いやすい焦点距離と、F1.4で見えた被写界深度の課題
今回は焦点距離ではなく、F値の使い分けがテーマです。
前回はF1.4の開放に固定していました。
今回はそこから変えて、
F1.4〜F2.8の範囲で、構図や撮り方に合わせてF値を動かす
ことを意識しました。
なお、今回は同じ構図・同じ撮影距離でF値だけを変える厳密な比較実験ではありません。
実際の撮影会の中で、構図や撮影距離に合わせながらF1.4〜F2.8を使い分けた実践として振り返ります。
自分にとっては、「開放で撮るか、絞るか」を現場で考えながら撮る初めての機会でした。
2. F1.4は、やはり背景を大きくぼかしやすい
まずはF1.4です。
同じ焦点距離・撮影距離・背景までの距離で比べれば、F1.4はF2やF2.8より被写界深度が浅く、背景も大きくぼかしやすくなります。
モデルさんを背景から分離して見せたい場面では、F1.4のボケ方を使いたいと感じました。
前回の撮影で被写界深度の浅さが気になったからといって、
「F1.4は使わない方がいい」
ということではありません。
背景を大きくぼかしたい。
顔や目など、狙った部分へ視線を集中させたい。
そういった場面では、F1.4を使いたいと思うことがあります。
前回との違いは、
「F1.4まで使えるから常にF1.4」ではなく、F1.4を使う理由を考えるようになったこと
でした。
3. F2〜F2.8では、ピントが合って見える範囲を広げやすくなった
一方で、今回はF2やF2.8まで絞って撮る場面も作りました。
同じ焦点距離・撮影距離で比べれば、F1.4からF2、F2.8とF値を大きくするほど、被写界深度は深くなります。
前回は、顔にピントが合っていても、身体や衣装の一部が自分の意図より大きくぼけて見える写真がありました。
そこで今回は、
顔だけでなく、もう少し広い範囲までシャープに見せたい場面ではF値を大きくする
ことを意識しました。
実際に撮影してみると、F1.4開放だけで撮っていたときより、
自分が見せたい範囲までピントが合って見える写真を作りやすい
と感じました。
ただし、これは、
「F2〜F2.8なら絶対にピントを外さない」
という意味ではありません。
AFが狙った位置から外れたり、被写体や撮影者が動いたりすれば、F値とは別の理由でピント外れやブレは起こります。
F値を大きくすることで変わるのは、あくまで被写界深度です。
この日に撮影した写真はInstagramに掲載しています。F1.4固定から離れ、F値を変えながら撮影した日の作例です。
4. 「絞ればシャープになる」と単純に考えない
以前の自分なら、
「F値を大きくした方が写真全体がシャープになる」
と考えていたかもしれません。
しかし、今回意識したのは、単純な画質の良し悪しではありません。
F1.4とF2.8では、ピントが合って見える前後の範囲が変わります。
例えば、顔にピントを合わせたとき、
F1.4では顔の前後が大きくぼけて見える。
F2.8では、それより少し広い範囲までピントが合って見えやすくなる。
今回自分が使い分けたかったのは、この違いです。
そのため、
F2.8の方がF1.4より優れている
という話ではありません。
どちらを使うかは、
写真の中でどこまでを見せたいのか
によって変わると考えるようになりました。
5. F値を変えると、明るさとのバランスも変わる
F値を変えると、被写界深度だけでなく、レンズから入る光の量も変わります。
F1.4からF2やF2.8へ絞れば、そのままでは写真は暗くなります。
そのため、同程度の写真の明るさを維持したい場合には、
シャッタースピードやISO感度との組み合わせ
も考える必要があります。
前回までの自分は、
「背景をぼかしたいからF1.4」
ということだけを考えていました。
今回は、
被写界深度を確保したいからF値を大きくする。その代わり、明るさはほかの設定も含めて調整する
という考え方を少しずつ意識するようになりました。
F値だけを単独で考えるのではなく、露出全体の中で決める必要があることも、今回あらためて感じた部分です。
6. 「開放か、絞るか」ではなく、何を見せたいかで決める
今回F1.4〜F2.8を使いながら撮影して、一番変わったのはF値そのものよりも撮るときの考え方でした。
これまでは、
SIGMA 30mmはF1.4まで使える
→ ならF1.4で撮った方がいい
と考えていました。
しかし今回は、
「この写真では、どこまでピントが合って見えてほしいか」
を考えるようになりました。
例えば、
背景を大きくぼかしてモデルさんを目立たせたいならF1.4。
身体や衣装まで、もう少し広い範囲を残したいならF2〜F2.8。
というように、その場でF値を選ぶことができます。
もちろん、この使い分けがすべての撮影条件で同じになるわけではありません。
撮影距離や被写体のポーズ、背景までの距離などによって結果は変わります。
それでも、自分にとっては、
「常に開放」から「狙いに合わせてF値を変える」へ考え方が変わった
ことが、今回の一番大きな変化でした。
7. F1.4〜F2.8だけが選択肢というわけでもない
今回はF1.4〜F2.8の範囲で撮影しました。
では、F3.5やF4まで絞ったらどうなるのか。
この時点ではまだ実際に比較していないため、今回の記事だけでは判断できません。
同じ焦点距離・撮影距離で比べれば、F値をさらに大きくすることで被写界深度はさらに深くなります。
一方で、取り込める光は少なくなるため、シャッタースピードやISO感度とのバランスも変わります。
そのため、
「人物撮影ならF2.8までが正解」
ということでもありません。
今回分かったのは、F1.4固定から離れて、F値を変える意味を少し理解できたところまでです。
今後、別の撮影条件でF3.5やF4を使う機会があれば、その結果も確認してみたいと思います。
8. まとめ:F1.4もF2.8も、使う理由があれば選べる
前回の撮影会では、SIGMA 30mmをF1.4開放に固定して撮影しました。
その結果、背景は大きくぼかせた一方で、顔にはピントが合っていても、自分が見せたい範囲までシャープに見えない写真がありました。
そこで今回は、
F1.4〜F2.8の範囲でF値を変えながら撮影
してみました。
F1.4では背景を大きくぼかしやすい。
F2〜F2.8では、同じ焦点距離・撮影距離ならF1.4より被写界深度を深くできます。
今回自分が感じたのは、
どちらが正解かではなく、写真の中で何をどこまで見せたいかによって選べばいい
ということでした。
以前は、
「F1.4まで使えるレンズならF1.4で撮りたい」
という考えが強くありました。
今は、
「この構図ならF1.4にするのか、それとも少し絞るのか」
を撮影中に考えるようになっています。
前回F1.4固定で撮ったことが失敗だったわけではありません。
F1.4だけで撮ったからこそ、被写界深度の浅さに気づき、その次にF値を変えて試すことができました。
機材を変えたわけではなくても、設定の意味を一つずつ理解して、撮り方を変えられるようになったことが、今回の撮影で得た一番大きな収穫だったと思います。
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