新宿・歌舞伎町の路上ライブで、Canon EOS Kiss X7とEF50mm F1.8 STM、EF-S24mm F2.8 STMを使って撮影しました。
撮影前は、
「50mmで人物を大きく撮り、必要なら24mmへ交換すれば対応できる」
と考えていました。
ところが実際に撮ってみると、動く人物へのAF、2人を同時に収める画角、ライブ中のレンズ交換など、撮影会とは違う問題が出てきました。
当時は「単焦点では厳しいからズームレンズが必要」と考えましたが、今振り返ると、原因はレンズだけではありません。
この記事では、当日の失敗を、
- AF
- 焦点距離
- 撮影位置
- レンズ交換
の4つに分けて振り返ります。
今回の撮影条件
当日の条件は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| カメラ | Canon EOS Kiss X7 |
| レンズ1 | Canon EF50mm F1.8 STM |
| レンズ2 | Canon EF-S24mm F2.8 STM |
| 撮影場所 | 新宿・歌舞伎町の屋外ライブ |
| 被写体 | ソロ出演者、2人組ユニット |
| 撮影方法 | ライブビュー中心 |
| AF | ライブ多点AF |
この頃は、現在ほどF値・シャッタースピード・ISOなどの撮影データを細かく記録していませんでした。
そのため、この記事では当時の記録から確認できる条件と、実際に撮影して感じたことを中心に振り返ります。
ソロ出演者では50mmの画角は使いやすかった
最初に撮影したソロ出演者では、EF50mm F1.8 STMを使用しました。
EOS Kiss X7はAPS-C機なので、50mmを装着すると35mm判換算で約80mm相当の画角になります。
焦点距離そのものが80mmになるわけではなく、フルサイズ機で約80mmを使った場合に近い範囲が写ります。
人物をある程度大きく写すには使いやすく、撮影を始めた時点では、
「このまま50mmでいけそう」
と感じていました。
ところが、実際に撮影を続けると画角とは別の問題が出ました。
思った位置にピントが合わない場面が多かったことです。
背景にピントが移ったり、合焦を待っている間に出演者の表情や動きが変わったりする場面がありました。
当時は「EOS Kiss X7のAF性能が足りないのでは」と考えていましたが、今振り返ると、カメラだけでなく撮影方法やAF設定にも改善できる部分がありました。
ライブ多点AFでは背景にピントが合うことがあった
当日は、背面液晶を使ったライブビュー撮影で、AF方式にはライブ多点AFを使用していました。
この設定では、画面内のどこにピントを合わせるかをカメラ側がある程度判断します。
ライブでは、
- 出演者が動く
- 背景に看板や建物がある
- 被写体と背景の距離が近い
- 一瞬ごとに構図が変わる
といった条件が重なります。
実際の撮影でも、狙っていた人物ではなく背景側にピントが合うことがありました。
今振り返ると、ライブビューの多点AFに任せるだけではなく、AFポイントを自分で選んで狙う撮り方も試すべきでした。
特に背景へピントが抜ける場面では、カメラ任せにする範囲を減らした方が、意図した位置へ合わせやすかった可能性があります。
この撮影を経験して、ライブでは焦点距離だけでなく、AF方式も考える必要があると感じるようになりました。
2人組を撮ると50mmでは画角が狭くなった
次に、2人組のユニットを撮影しました。
ここでは、AFとは別に50mmの画角が問題になりました。
ソロ出演者では人物を大きく撮りやすかった一方、2人を同時に画面へ収めようとすると、当日の撮影位置では狭く感じます。
単純に後ろへ下がれば画角は広くできます。
しかし、路上ライブでは自分の撮影位置を自由に変えられるとは限りません。
後ろへ移動すれば、今度は前にいる観客が画面へ入りやすくなります。
このとき実感したのが、
焦点距離だけでなく「どこから撮れるのか」によって使いやすいレンズは変わる
ということでした。
50mmそのものがライブ撮影に向いていないのではありません。
当日の撮影位置から2人を一緒に撮るという条件に対して、50mmでは狭かった
と考える方が正確です。
このあとライブハウスでも50mmを使い、撮影位置によってどこまで使いやすさが変わるのかを改めて試しました。
→ 50mm単焦点は前方でどこまで使える?下北沢MOSAiCで見えた画角の限界
24mmなら2人を収めやすくなった
そこで、EF-S24mm F2.8 STMへ交換しました。
24mmはEOS Kiss X7では35mm判換算で約38mm相当の画角になります。
50mmよりかなり広くなるため、2人を同時に画面へ収める構図は作りやすくなりました。
一方で、ここで新しい問題が出ます。
それがライブ中のレンズ交換です。
出演者は待ってくれないので、交換している間は撮影できません。
また、観客のいる屋外で安全にレンズを交換する必要もあります。
撮影会なら、ある程度落ち着いてレンズを替えられる場面があります。
しかし、進行し続けるライブでは同じ感覚では交換できません。
「24mmなら撮れる」
「50mmなら撮れる」
という画角だけの話とは別に、
短時間で画角を変えたいライブ撮影では、レンズ交換そのものが撮影機会のロスになる
ことをこのとき初めて実感しました。
撮影直後は「ズームレンズが必要」と考えた
この撮影直後は、
「ライブでは単焦点よりズームレンズが必要なのではないか」
と強く感じました。
これは完全な間違いではありません。
ズームレンズなら、レンズ交換をせずに、
- ソロ出演者では望遠側
- 複数人では広角側
というように画角を変えられます。
自分が自由に移動できないライブでは、大きなメリットです。
ただし、今振り返ると、当日の失敗をすべて単焦点レンズのせいにするのは正確ではありません。
問題は少なくとも次の4つに分けられます。
- ライブ多点AFで意図しない場所にピントが合った
- ライブビュー中心で撮影していた
- 50mmでは2人を収めるには狭い撮影位置だった
- 24mmと50mmの交換に時間がかかった
このうち、ズームレンズで直接改善できるのは主に3と4です。
1と2については、レンズを変えても、撮影方法やAF設定を見直さなければ残ります。
本当の問題は「単焦点」だけではなかった
撮影直後は、
「単焦点ではライブに対応しにくい」
とかなり単純に考えていました。
しかし、今では少し違う見方をしています。
今回の結果を整理すると、
| 条件 | 実際に感じたこと |
|---|---|
| ソロ+50mm | 人物を大きく撮りやすかった |
| 2人+50mm | 当日の位置では画角が狭かった |
| 2人+24mm | 画角には余裕ができた |
| 24mm・50mm併用 | ライブ中の交換が負担になった |
| AF | 焦点距離とは別に設定面の改善余地があった |
という結果でした。
つまり、
単焦点レンズそのものに限界があったというより、撮影位置・人数・AF・レンズ交換という複数の条件が同時に合っていなかった
と考える方が正確です。
この経験からライブ用ズームレンズを検討した
とはいえ、この路上ライブがライブ用ズームレンズを本格的に検討するきっかけになったことは変わりません。
特に強く感じたのは、
ライブでは、自分が動いて画角を調整できるとは限らない
ということでした。
その後、下北沢MOSAiCで50mmをもう一度使い、前方と後方で画角がどう変わるのかを確認しています。
前方では使いやすかった一方、後方へ移動すると50mmでは人物が小さくなりました。
そこで、
- 必要な焦点距離
- レンズの明るさ
- AF
- 手ブレ補正
- 予算
を条件として、ライブ撮影用のズームレンズを検討しました。
→ 予算5万円でEOS Kiss X7用のライブ撮影ズームレンズを考えた記録
最終的に選んだのは、EF-S55-250mm F4-5.6 IS STMです。
ズームレンズを買っても、すべてが解決したわけではない
EF-S55-250mm F4-5.6 IS STMを導入してからは、ライブハウス、ホール、野外ライブなどで実際に使用しました。
レンズ交換をせずに焦点距離を変えられるため、
その場で画角を調整すること自体はかなり楽になりました。
ただし、別の問題も出てきました。
55-250mmはEF50mm F1.8 STMのような明るい単焦点レンズではありません。
暗いライブハウスでは、
- F値
- シャッタースピード
- ISO
- ノイズ
のバランスを考える必要が出てきました。
つまり、
ズームレンズを買えばライブ撮影の問題がすべて解決するわけではありませんでした。
一方で、自分が自由に移動できない場所から撮る場合に、
レンズ交換をせず画角を変えられる
というメリットは、実際に使ってみても大きいと感じています。
今振り返って分かったこと
今回の路上ライブで一番大きかった学びは、
ライブ撮影では、焦点距離・AF・撮影位置をセットで考える必要がある
ということです。
当時は、
「単焦点では対応できないからズームが必要」
と考えていました。
今なら、撮影前に次の条件を確認します。
- 何人を同時に撮るのか
- 自分は撮影位置を動かせるのか
- その位置から必要な焦点距離は何mmか
- AF方式は動く人物に合っているか
- レンズ交換が現実的な環境か
- どの構図を優先するのか
この条件を整理してから、単焦点とズームのどちらを使うか考えた方が合理的です。
結果としてズームレンズを追加した判断自体は間違っていませんでした。
ただ、
本当の課題は「ズームレンズを持っていなかったこと」だけではなかった
というのが、今振り返っての結論です。
まとめ|ライブでは焦点距離だけでなく撮り方まで考える
今回の路上ライブでは、EOS Kiss X7とEF50mm F1.8 STM、EF-S24mm F2.8 STMを使用しました。
50mmはソロ出演者を大きく写しやすかった一方、2人組では当日の撮影位置からは狭く感じました。
24mmへ交換すれば2人を収めやすくなりますが、ライブ中のレンズ交換には時間的なロスがあります。
さらに、ピントが合わなかった場面については、焦点距離ではなくライブ多点AFや撮影方法にも改善できる部分がありました。
今回の経験から分かったのは、
ライブ撮影では焦点距離だけでなく、AF方式・撮影位置・レンズ交換のしやすさまで含めて考える必要がある
ということです。
当時は「単焦点の限界」と考えていました。
しかし今では、
レンズだけでなく、自分の撮り方も一緒に見直す必要があった
と考えています。
関連記事
今回のあと、EF50mm F1.8 STM一本でライブハウス前方・後方から撮影し、撮影位置による50mmの使いやすさの違いを確認しました。
→ 【ライブ撮影実践】50mm単焦点は前方でどこまで使える?下北沢MOSAiCで見えた画角の限界
その結果も踏まえて、予算5万円以内でライブ撮影に使うズームレンズの条件を整理しています。
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