焦点距離で背景のボケはどう変わる?55mm・100mm・200mmを屋外で撮り比べてみた

55mm・100mm・200mmで撮影した花の背景ボケを並べた比較画像。「焦点距離で背景ボケはどう変わる?」の文字入り。 撮影実践・検証

以前、ルービックキューブを被写体にして、焦点距離を変えると写真の見え方がどう変わるのかを試しました。

そのときは、同じ位置から焦点距離だけを変える比較に加えて、ルービックキューブの大きさが画面内でなるべく同じになるよう、自分が前後しながら撮る比較もしています。

→ 以前行った焦点距離の比較実験

室内では違いを確認できたので、今回はこれを実際の屋外撮影に持ち出してみます。

使うのはCanon EOS Kiss X7と、Canon EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM。

同じ花を55mm・100mm・200mmで、画面内の大きさがなるべく同じになるように自分の位置を変えながら撮影しました。

今回まず確認したかったのは、焦点距離を変えることで、屋外の背景のボケ方がどのくらい変わって見えるのかです。

そして実際に3枚を比べてみると、ボケ方だけではなく、背景に入る範囲や背景にある遊具の見え方にもかなり違いが出ていました。

今回の撮影条件

今回使ったのはCanon EOS Kiss X7と、Canon EF-S55-250mm F4-5.6 IS STMです。

絞りは3枚ともF5.6。焦点距離を55mm、100mm、200mmと変えて撮影しました。

被写体は同じ花で、花の大きさが画面内でなるべく同じになるよう、焦点距離を変えるたびに自分も前後しています。

写真は3枚ともJPEG撮って出しです。焦点距離による違いを見る撮影実験なので、Lightroomなどで明るさや色を調整せず、そのまま比較します。

今回は三脚でカメラの位置を完全に固定した、厳密な性能比較ではありません。

55mmから100mm、200mmへ焦点距離を長くしていくと、写真に写る範囲はだんだん狭くなります。

同じ位置に立ったままでは花も大きく写るため、今回は花の大きさをなるべく揃えるため、焦点距離を長くするほど自分が花から離れて撮りました。

つまり今回の3枚では、焦点距離だけでなく、カメラから花までの距離も変わっています。

目的はレンズの性能を厳密に比べることではなく、実際の撮影で焦点距離を変え、それに合わせて自分の位置も変えたとき、背景のボケ方がどう見えるのかを確認することです。

今回EF-S55-250mm F4-5.6 IS STMを使ったのにも理由があります。

現在持っているレンズの中で、焦点距離を変えながら比較できるズームレンズがこれ一本だったこと。

そして、9月29日に参加予定の近代麻雀水着祭でも使う予定だからです。

実際の撮影会では100mmや200mm付近を使う機会が多そうだと考えています。

55mmは積極的に使うことを想定して選んだわけではなく、このレンズで最も焦点距離の短い位置として、100mm・200mmとの違いを見るための比較対象として入れました。

では、実際の写真を見ていきます。

55mmでは、背景の形がまだ分かりやすい

55mm・F5.6で撮影した白い花。背景には黄色と赤色の遊具や木々が広く写り、遊具の形もある程度確認できる。
55mm・F5.6。花の大きさを基準にして撮影した1枚。

まずは55mmです。

背景はしっかりぼけていますが、左側にある黄色と赤色の遊具は、まだ形がある程度分かります。

木や地面、奥の緑なども広い範囲で写っていて、3枚の中では周囲の様子が最も分かりやすい写真になりました。

今回の目的である背景のボケを見ると、花から離れた場所にあるものはぼけていますが、背景に何があるのかは比較的判断しやすい状態です。

100mmでは、背景のボケが強く見えるようになった

100mm・F5.6で撮影した白い花。背景には黄色と赤色の遊具が大きくぼけ、輪郭が曖昧に写っている。
100mm・F5.6。花の大きさをなるべく揃えるため、55mmとは位置を変えて撮影。

続いて100mmです。

花の大きさが55mmと同じくらいになるよう、自分は55mmのときより花から離れています。

写真を見ると、今回の比較では背景のボケが55mmより強く感じられるようになりました。

特に分かりやすいのが左側の遊具です。

55mmでは形がある程度分かりましたが、100mmでは輪郭がより曖昧になっています。

同時に、遊具そのものが55mmより大きく写り、写真に入る周囲の範囲は狭くなりました。

背景の細かな情報も減り、55mmより花が背景から浮いて見える感じが強くなっています。

200mmでは、背景の形がかなり分かりにくくなった

200mm・F5.6で撮影した白い花。背景には黄色と赤色の遊具が大きくぼけ、形を判別しにくくなっている。
200mm・F5.6。花の大きさを揃えるため、100mmよりさらに花から離れて撮影。

最後は200mmです。

背景の遊具を見ると、100mmよりさらに大きく写っています。

一方、その形はかなり分かりにくくなりました。

黄色や赤色の大きな色のかたまりとして背景に入っていて、この場所に遊具があると知らなければ、何が写っているのか判断しにくいくらいです。

今回の3枚では、200mmが最も背景の形を判別しにくく、ボケも強く感じました。

また、背景に写っている範囲もかなり狭くなり、木や地面など周囲の情報は55mmと比べると大きく減りました。

自分としては、そのぶん右側の花へ視線が向かいやすい写真になったように感じます。

55mm・100mm・200mmを並べて比べてみる

F5.6で撮影した同じ花を、55mm・100mm・200mmの順に並べた比較画像。焦点距離が長くなるにつれて背景の遊具の輪郭がぼけ、遊具が画面内で大きく写っている。
すべてF5.6。花の大きさをなるべく揃えながら、55mm・100mm・200mmで撮影した比較。

3枚を並べると、今回見たかった背景のボケ方の違いが分かりやすくなります。

55mmでは、左側の遊具がぼけながらも形を確認できます。

100mmになると輪郭がかなり曖昧になり、200mmではさらに形が分かりにくくなっています。

今回の条件では、55mmから100mm、200mmと焦点距離を長くするにつれて、背景のボケが強く見える結果になりました。

ただ、並べてみて改めて分かったのは、変わっているのがボケ方だけではないことです。

焦点距離を長くするにつれて、左側の遊具は画面内で大きくなっています。

反対に、背景に写る範囲は狭くなっています。

室内でルービックキューブを使った実験でも、焦点距離と自分の位置を変えると背景の入り方が変わることは確認していました。

今回屋外で試してみても、その違いははっきり出ました。

なぜ焦点距離を変えると、こんなに見え方が変わったのか

ここは少しややこしいところです。

今回の3枚を見て、

「200mmにしたから、背景が勝手に手前へ寄ってきた」

とだけ考えてしまうと、今回の撮り方を正確には説明できません。

最初に55mmで花を撮り、次に100mmへ変えると、同じ位置からでは写る範囲が狭くなり、花がより大きく写ります。

そこで、花を55mmのときと同じくらいの大きさに戻すため、自分が花から離れました。

200mmでも同じです。

100mmよりさらに写る範囲が狭くなるため、そのぶんさらに花から離れて撮っています。

今回の撮影では、

焦点距離を変える
→ 写る範囲が変わる
→ 花の大きさを揃えるため、自分の位置も変える

という流れになっています。

望遠側で被写体を同じくらいの大きさに写そうとすると、自分が後ろへ下がることになります。

すると、被写体と、そのさらに奥にある背景の大きさの見え方も変わります。

こうして背景が大きく迫って見えるような写りは、一般に「圧縮効果」と呼ばれることがあります。

ただし今回のような比較では、「焦点距離を長くしたこと」と「花を同じくらいの大きさに写すために自分の位置を変えたこと」を切り離して考えない方が分かりやすいと思います。

「200mmだから自動的に背景が手前へ移動した」というわけではありません。

背景のボケについても、F値だけで決まるものではありません。

今回3枚ともF5.6ですが、

  • 焦点距離
  • カメラから花までの距離
  • 花と背景の距離

などが背景のボケ方に関係します。

さらに、焦点距離や自分の位置が変われば、写真に入る背景の範囲そのものも変わります。

そのため今回の結果は、

「200mmなら必ず55mmよりこれだけぼける」

という話ではありません。

あくまで今回の場所、今回の花、今回の撮り方では、焦点距離を長くしながら花の大きさを揃えて撮ったところ、背景のボケが強く見えるようになった、という結果です。

F値以外でも、背景のボケ方は変わる

ここ最近は、背景をどう写すかについて続けて試しています。

9月15日の記事では、被写体と背景の距離を変えることで、背景のボケ方がどう変わるのかを確認しました。

→ 被写体と背景の距離を変えると、ボケ方はどう変わる?

9月18日の記事では、今度は背景をぼかす方向とは逆に、できるだけ手前から奥まで見せる「パンフォーカスっぽい撮り方」を試しました。

→ パンフォーカスっぽい撮り方を試した記事

そして今回は、焦点距離を変えながら背景のボケ方を比べました。

3つの撮影を続けてみて、

「背景をぼかしたければ、とにかくF値を小さくすればいい」だけではない

ということが少しずつ分かってきました。

絞りを開く。

被写体と背景を離す。

使う焦点距離を変える。

そして、被写体を同じくらいの大きさに写したい場合は、焦点距離に合わせて自分の立ち位置も変わる。

こうした条件が組み合わさって、背景のボケ方や見え方が変わっていきます。

次は人物撮影でどう使えるか試してみたい

今回撮ったのは花ですが、この比較をした理由の一つは9月29日の近代麻雀水着祭です。

当日は今回使ったEF-S55-250mm F4-5.6 IS STMを使う予定です。

ただし、55mmを積極的に使おうと考えているわけではありません。

現時点では、70mmくらいから上を使うことが多くなりそうだと考えています。 その中でも100mm・200mm付近は使う機会が多いのではないかと思っています。

55mmは今回、100mm・200mmとの違いを分かりやすく見るための比較対象として撮りました。

今回の写真を見ると、100mmや200mmを使ったときに、背景のボケ方や背景に入る範囲がかなり変わることは確認できました。

では、それが人物を撮ったときにどう見えるのか。

さらに、ここ最近試してきた被写体と背景の距離や被写界深度、F5.6〜F8程度まで絞ったときの写り方を組み合わせるとどうなるのか。

そのあたりを実際の撮影会で試してみたいと思います。

撮影会では、自分が好きな場所まで下がれるとは限りませんし、モデルと背景の位置も自由に動かせるとは限りません。

今回の実験どおりに撮れるとは限りませんが、少なくとも以前より、

「背景をぼかしたいから開放にする」以外のことも考えながら撮れそうです。

今回分かったこと

今回はCanon EF-S55-250mm F4-5.6 IS STMを使い、F5.6のまま55mm・100mm・200mmで花を撮り比べました。

花の大きさをなるべく揃えるため、焦点距離を長くするにつれて自分も花から離れて撮っています。

その結果、今回の条件では55mmから100mm、200mmへ焦点距離を長くするほど、背景の形が分かりにくくなり、ボケが強く見えました。

そして、実際に3枚を比べると、背景のボケだけでなく、背景に入る範囲や遊具の大きさもかなり変わっていました。

背景をぼかしたいから絞りを開く。

それだけではなく、

どの焦点距離を使い、どこから撮り、被写体と背景をどのくらい離すか。

そうした条件も合わせて考えれば、背景の見せ方にはもっと選択肢がありそうです。

次はこれを、実際の人物撮影で試してみます。


おたふぉと。の活動拠点はこちら:

Xでは日常の呟きや、練習で撮った写真などを投稿しています。
→ よしおのX

Instagramにはライブや撮影会で撮った写真を作品としてまとめています。
→ よしおのInstagram

note(毎週日曜日更新)
→ よしおのnote

コメント

タイトルとURLをコピーしました