10月4日、高幡不動尊とその周辺をカメラを持って歩いてきました。
今回のフォトウォークでは、最初から「背景を整理しよう」「画面の四隅まで確認しよう」といった課題を決めて撮影していたわけではありません。
これまでと同じように、撮りたいものを見つけたら、どう撮れば主役として見せられるかを考えながらシャッターを切っていました。
ただ、撮影を終えて写真を見返してみると、主役や導線は意識できている一方で、その周囲までは十分に見えていなかった写真がいくつかありました。
普段の撮影会では、被写体の表情やかわいく見える角度を意識することが多く、自分の場合は背景まで同時に細かく見るのはなかなか難しいと感じています。
一方、フォトウォークなら、もう少し背景や画面全体まで確認する余裕があったはずです。
では、風景写真を撮るときは、主役以外のどこまで見ればいいのでしょうか。
今回撮った写真を成功例と反省例の両方から見返してみると、単純に「余計なものを入れない」という話でもなさそうでした。
※この記事では撮影時の構図を振り返るため、掲載写真はトリミングや現像調整をしていない撮って出しを使用しています。
五重塔は、主役を決めてから撮っていた
まず、自分でも狙いが比較的はっきりしていたのが五重塔の写真です。

この場所では、横構図にすると木々や空が広く入り、五重塔の主役感が薄くなりそうだと感じました。
そこで縦構図にして、五重塔を大きく見せることを意識して撮っています。
写真の中には五重塔だけでなく、空や雲、木々なども入っています。それでも見返したときに、何を撮りたかったのかは迷いません。
ここで気づいたのは、周囲に情報があること自体が問題なのではなさそうだということです。
すべてを画面から排除するのではなく、まず「何を一番見せたいのか」が伝わることの方が大事なのかもしれません。
川や高架では、線を使って奥行きを作れていた
主役だけでなく、画面の中にある線を使うことも撮影時にある程度意識していました。

川沿いでは、手前から奥へカーブしていく川を構図の中に入れています。
高架を撮った写真でも、高架と道路が奥へ伸びていく方向を意識していました。

川では曲線、高架では直線と対象は違いますが、どちらも手前から奥へ続く線を構図に入れています。
この2枚を見る限り、線を使って奥行きを作ること自体は、撮影時にもある程度意識できていました。
ところが、同じように高架を意識して撮った別の写真を見ると、「線を見る」だけでは足りないことにも気づきました。
高架の先ばかり見て、周囲まで見えていなかった
それが次の写真です。

このとき自分が見ていたのは、高架が伸びていく先でした。
奥へ向かうラインには意識が向いていた一方で、写真全体を見ると、建物や電線、信号、木、空など、ほかにもさまざまなものが入っています。
もちろん、これらが写っていること自体が悪いとは思いません。先ほどの五重塔にも木や空は入っています。
違いがあるとすれば、五重塔の写真では「まずこれを見てほしい」というものがはっきりしているのに対して、この写真では高架以外の情報にも目が向きやすいことです。
奥へ視線を導く線だけを見ていても、写真全体が自動的に整理されるわけではありませんでした。
導線を見ることと、その周囲まで見ることは別だった。
撮影時には、そこまで意識を広げられていませんでした。
主役を大きく置かなかった写真では、四隅も見落としていた
もう一つ、撮影後になって気づいたのが画面の四隅です。

境内全体を撮った一枚。見返してみると、右上から街灯が中途半端に入っていることに気づいた。
この写真は、五重塔の写真のように一つのものを大きく主役として撮ったのではなく、境内全体の様子を残そうとして撮ったものです。
見返していて気になったのが、右上から中途半端に入っている街灯でした。
撮影しているときには、ここまで確認できていませんでした。
五重塔の写真のように、何を主役にしたのかが明確なら、周囲に別の情報があっても視線はまず主役へ向かいます。一方、この写真のように画面全体を見せようとすると、一部分だけ入ったものにも目が向きやすくなるように感じます。
ここでの反省は、「街灯を入れない方がよかった」ということだけではありません。
撮影時に街灯の存在まで見えていれば、画角から外すのか、そのまま残すのかを自分で判断できました。
何かが写っていることより、それに気づかないままシャッターを切っていたことの方が、今回の自分にとっては課題だったように思います。
では、画面の中に気になるものを見つけたら、すべて避ければいいのでしょうか。
今回の写真を見返していると、そう単純でもありませんでした。
背景を整理すると、主役の見え方まで変わる
それを考えるきっかけになったのが、境内にあった土方歳三像です。
撮影時には背景よりも、像そのものがどう見えるかを意識していました。

こちら側から見ると、腰に差している刀の柄が奥側に位置します。顔や身体の前を大きく遮らず、この角度の方が見栄えがいいと感じました。
反対側からも撮っています。

こちらでは刀の柄が手前に来て、身体の前を横切るように見えます。
ところが、今回の記事を書くために背景まで改めて見てみると、最初の写真では像の顔の後ろに松が重なっていることにも気づきました。
背景だけを見るなら気になる部分です。
しかし、松との重なりだけを避ければよいわけではありません。見る方向を変えれば、今度は刀の柄と身体の重なり方まで変わります。
今回の像なら、自分は背景の松よりも、顔や身体、刀を含めた像そのものがどう見えるかを優先したいです。
背景をどう整理するかも、主役をどう見せたいかとの関係で決める必要がありそうです。
構図を整理するなら、情報をなくすより優先順位を考えたい
今回のフォトウォークで分かったのは、単純に情報量が少ない写真ほどよいわけではないということでした。
五重塔の写真には空や雲、木があります。川や高架の写真にも周囲の情報は残っています。それでも、自分が何を見せたかったのかがはっきりしている写真では、それらが必ずしも邪魔には感じません。
一方、今回の反省例では、主役や導線を見ながらも、その周囲や四隅までは確認できていませんでした。
さらに像の写真では、背景を整理することと、主役そのものを見やすくすることが競合しています。
今回の写真から自分なりに整理すると、
「余計なものを入れない」ではなく、「何を一番見せたいのかを決め、そのために画面内の情報へ優先順位をつける」
という考え方の方が、今の自分にはしっくりきます。
次のフォトウォークでは「主役→導線→輪郭→四隅」を試してみる
では、次に撮るときにどうするか。
今回の反省から、一つ試してみたい確認方法ができました。
主役
↓
導線
↓
主役の輪郭周辺
↓
四隅
という順番で、シャッターを切る前にファインダーの中を見る方法です。
まず「何を一番見せたいか」を確認する。
次に、川や道路など視線を動かす線があるなら、その向きを見る。
そのあと、主役のすぐ後ろや輪郭の周辺に、別のものが重なっていないかを見る。今回の像と松のような部分です。
最後に四隅を見て、中途半端に入っているものがないか確認する。
ここで何かを見つけたからといって、必ず画面から外すわけではありません。
主役をどう見せたいかを優先しながら、残すのか、避けるのかを考えるところまでできれば、今回より一歩進めそうです。
少なくとも今の自分には、「背景をきれいにしよう」と漠然と考えるより、見る場所をいくつかに分けて確認する方が試しやすそうです。
もちろん、これは今回の写真を見返して考えた、次回用の仮説にすぎません。
この順番で確認すれば写真がよくなると分かったわけではありませんし、実際のフォトウォークで毎回そこまで落ち着いて確認できるのかも分かりません。
次にカメラを持って歩くときは、この順番を少し意識して撮ってみます。
その結果、写真の見え方がどう変わるのか。また撮った写真を見返して考えてみたいと思います。
今回のフォトウォークについてはnoteにもまとめています
今回はカメラだけでなく、スマホを「カメラ」として使ってフォトウォークをしてみることもテーマの一つにしていました。
スマホで撮影する前に考えたことと、実際に歩いて撮影した結果は、noteの前編・後編にまとめています。
→ 「スマホ」は「カメラ」になりうるか? ― スマホでフォトウォーク 前編 ―
→ 「スマホ」を「カメラ」にして歩いてみた。― スマホでフォトウォーク 後編 ―
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